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トレはん!アフターストーリー第三回

「待っていたわよ、フェリックス・レヴィン!」
「………………」
 診療所での検査を終え自警団の詰め所を訪れたフェリを高圧的に出迎えたのは、フェリより一つ二つ年下の金髪少女だった。
「お兄様に気に入られてと・く・べ・つ・に!自警団への入隊を許可されたみたいだけど、調子にならないことね!」
 彼女はこのリディア領を統治するバーン伯家の次女、アルエリーナ・バーン。最近親の七光ならぬ兄の七光で、『特別に』自警団への入隊を許可された少女である。
「あ、うん。それでアルエ……リーナ様――」
「何よその取っ手つけたみたいな敬称は!馬鹿にしてるの!」
「いや、姉さんがいつも『アルエ』って呼んでたからつい……」
「リタが?そっか、私のいない所ではちゃんと名前で呼んでくれてたんだ……」
「あー、うん、いつも呼んでた呼んでた」
(『アルフん所の末っ子』とか『ストーカー妹』とか呼んでることの方が多かったっていうのは黙っておこう)
 フェリは過去に姉とかわした会話の内容を思い出してみたが、正直に教えてもアルエが傷つくだけだと判断して黙っていることにした。
「それでアルエリーナ様」
「アルエ」
「えっ?」
「特別にアルエって呼んでもいいわよ。あと様もいらない」
 アルエが機嫌良さそうに言った。
「え、でも」
「私がいいって言ってるの!で、でもどうしても敬称をつけたいって言うならアルエ先ぱ――」
「そっかそれならアルエ…ちゃん?」
「――いって…呼ん…で…も……アルエ、ちゃん?」
 上機嫌に話していてアルエが、いきなり固まった。
「あ、あれ?」
「ちゃ、ちゃん。アルエちゃ…ん……アルエちゃん?」
 (さすがにちゃん付けは無礼だったかな?)
「あー、なれなれし過ぎたかな。それならやっぱ――」
「いい!変えなくていい!むしろ変えちゃだめ!絶対だめ!」
 アルエが必至な様子でフェリが敬称を変えるのを阻止してきた。
「アルエちゃん……アルエちゃん、か。ふふ…ふふふふ……」
 それからしばらく、アルエは一人つぶやき続けていた。
(喜んでるみたいだけど、ちょっと不気味)

第三回はここまで。少し予定を変更して詰め所編を二つに分けることに。
次回がアルフ登場回の予定です。
今回登場したアルエですが、なんか暴走しっぱなしです。
アルエは『人見知りな、かまってちゃん』というキャラクターなためアルフとリタ以外親しい人がほとんどいません。
そのためアルエちゃんなんて呼ばれたこともなかったわけで、すごく喜んでいます。
本来アルフとリタの二人をほぼ独占していたフェリとは、もっと喧嘩腰になると思っていたのですが……根がいい子なせいか高慢に陰湿にもなれませんでした。

ちなみにフェリはアルエに「アルフさんはどこ?」的なことを聞こうとしていたのですが、言い出せずに終わってしまいました。
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