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トレはん!アフターストーリー第四回

「おお、もう来てたのかフェリ」
 そういいながら金髪碧眼の男が、自警団の詰所へと入ってきた。
「アルフさん!おはようございます!」
 彼の名前はアルフレッド・バーン。このリディア領領主であるバーン伯家の次男であると同時に、自警団の団長を務めている。
 そしてフェリの剣術の師匠でもある。
「おはようフェリ。今朝ライナスさんのところに行って来たんだろ?なんて言ってたんだ?」
「うん!若干魔力が不安定らしいけど、自警団を手伝う分には問題ないって」
「鍛錬の方はどうだ?きつくはないか?」
「大丈夫だよ、もうちょっと多くてもなんとかなりそう」
「そっか、それはよかった」
 アルフはそういいながら、フェリの頭を撫でた。
「ところで、あれはどうしたんだ?」
 アルフは不気味な笑みを浮かべているアルエを指してフェリに聞いた。
「あー、うん。いいことがあったらしい」
「いいこと?」
「うん、あんなことで喜んでくれるとは思わなかった」
「よくわからないが……リーナがフェリを気に入ったってことか」
「そうなの……かなぁ?」
「ああ、あんな態度を見せたのは家族以外リタぐらいだったからな」
「そうなんだ」
「だからあいつと仲良くしてくれるとうれしい。気軽に話せる同年代の友達が、リーナには必要だろうからな」
「うん、わかった」
「ありがとう、じゃあさっそく仕事をしてもらうぞ!」
「は、はい!」
 いきなり調子を変えたアルフに、フェリがあわてて答えた。
「今日は初日だからな、難しいことをやらせるつもりはない。街道の見回りを兼ねて関所へお使いを頼みたい」
「お兄様ちょっと待って!」
 フェリとアルフが話していると、突然アルエが会話に乱入してきた。
「いきなり街道の見回りってどういうことなの!自警団に入って一か月以上経つ私がまだ事務処理の手伝いしかさせてもらってないのに、いきなり外で仕事なんてずるい!」
「ずるいって言われてもなぁ」
「私だって見回りぐらいできるもん!剣の練習だってお兄様に言われた通りやってるし!今日だって50回も素振りしたもん!」
(え、50回?)
 フェリは思わず声を上げそうになったが、あわてて口を閉じた。あまり突いてはいけないと感じたのである。
「そうか、最初は20回が限度だったのに頑張ってるなぁ」
 アルフはそういいながらアルエの頭を撫でた。アルエも兄に褒められてうれしそうにしている。
「うん、だからどんな仕事だって任せて!」
 そう自慢げに語るアルエの背中を良く観察してみると、明らかに体に不釣り合いな剣を背負っていた。おそらくアルフと同じものを使っているのだろう。それはアルエが振り回すには大きすぎるとしか思えない。
(アルエちゃんのこだわりなのかな?そりゃあアルフさんも危険が少なくても外には出したくないって思うよね。でもアルエちゃんの役に立ちたいっていう気持ちもわかるし……)
 しばらく悩んだ後、フェリはとある結論にたどり着いた。
「ねぇアルエちゃん」
「な、なななにかしら?」
 フェリが声をかけるとアルエが慌てふためいた。どうもまだちゃん付けに慣れていないらしい。
「僕は自警団の仕事って初めてだから、アルエちゃんに手伝ってもらいたいんだけど……どうかな?」
「は?え?」
 いきなりの申し出に、アルエは驚いているらしい。
「そうだな、何かあっても困るしリーナが一緒について行ってくれたら安心だな」
 フェリの考えに気が付いたアルフもアルエの説得を始めた。
「先輩のアルエちゃんが一緒にいてくれたら僕も心強いんだ。ねぇどうかな?」
「せ、せんぱ……心強い……し、しかたないわね!こーはいに頼られたなら力になってあげるのが先輩の役目よね!」
(すまんな、リーナのことを頼む)
(うん、任せておいて)
 アルエが喜んでいる隣で、アルフとフェリがこっそりと話していた。
「それじゃあ簡単に仕事の説明をするぞ。最初に酒場で弁当を受け取ってこい。それを関所で見張りをしているカールとフランツに届けろ」
「うん」
「任せて!」
「関所に行くときは西回りの道、帰りは東周りの道を通っておかしなものがないか見回って来い。もし危険な野生動物や不審者を見つけたら――」
「倒せばいいのよね!」
 アルエが元気よく答える。
「いや、全力で逃げろ。逃げて俺に知らせろ。すぐに討伐隊を編成する。お前たちの仕事はあくまでも見回りだ、戦闘じゃない」
「むぅ、分かりましたぁ」
 アルエは口では素直に返事をしたが、明らかに不服そうである。
(いざとなったら、僕が何とか連れ帰るしかないか)
 フェリは嘆息しつつアルエの手を取った。
「え、あ、ちょっ……」
「それじゃあアルフさん、行ってきます」
「ああ、気を付けて行って来い」
 フェリはそのままアルエの手を引いて詰所を出た。
「って、ちょっと待って!手が、て――」

第四回はここまでです。
なんとか折り返し地点まで来た感じです。
ここまで書き進められたことに少し驚いています。
もっと早くに挫折するかと思っていました。
とりあえず今回書いていて一番驚いたこは、アルフがアルエのことをリーナと呼んでいたことです。
そういえばアルフが家では『フレッド』って呼ばれてるみたいな設定を作ったような作らなかったような………
自分で作った設定なのに、結構忘れていますね。
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トレはん!アフターストーリー第三回

「待っていたわよ、フェリックス・レヴィン!」
「………………」
 診療所での検査を終え自警団の詰め所を訪れたフェリを高圧的に出迎えたのは、フェリより一つ二つ年下の金髪少女だった。
「お兄様に気に入られてと・く・べ・つ・に!自警団への入隊を許可されたみたいだけど、調子にならないことね!」
 彼女はこのリディア領を統治するバーン伯家の次女、アルエリーナ・バーン。最近親の七光ならぬ兄の七光で、『特別に』自警団への入隊を許可された少女である。
「あ、うん。それでアルエ……リーナ様――」
「何よその取っ手つけたみたいな敬称は!馬鹿にしてるの!」
「いや、姉さんがいつも『アルエ』って呼んでたからつい……」
「リタが?そっか、私のいない所ではちゃんと名前で呼んでくれてたんだ……」
「あー、うん、いつも呼んでた呼んでた」
(『アルフん所の末っ子』とか『ストーカー妹』とか呼んでることの方が多かったっていうのは黙っておこう)
 フェリは過去に姉とかわした会話の内容を思い出してみたが、正直に教えてもアルエが傷つくだけだと判断して黙っていることにした。
「それでアルエリーナ様」
「アルエ」
「えっ?」
「特別にアルエって呼んでもいいわよ。あと様もいらない」
 アルエが機嫌良さそうに言った。
「え、でも」
「私がいいって言ってるの!で、でもどうしても敬称をつけたいって言うならアルエ先ぱ――」
「そっかそれならアルエ…ちゃん?」
「――いって…呼ん…で…も……アルエ、ちゃん?」
 上機嫌に話していてアルエが、いきなり固まった。
「あ、あれ?」
「ちゃ、ちゃん。アルエちゃ…ん……アルエちゃん?」
 (さすがにちゃん付けは無礼だったかな?)
「あー、なれなれし過ぎたかな。それならやっぱ――」
「いい!変えなくていい!むしろ変えちゃだめ!絶対だめ!」
 アルエが必至な様子でフェリが敬称を変えるのを阻止してきた。
「アルエちゃん……アルエちゃん、か。ふふ…ふふふふ……」
 それからしばらく、アルエは一人つぶやき続けていた。
(喜んでるみたいだけど、ちょっと不気味)

第三回はここまで。少し予定を変更して詰め所編を二つに分けることに。
次回がアルフ登場回の予定です。
今回登場したアルエですが、なんか暴走しっぱなしです。
アルエは『人見知りな、かまってちゃん』というキャラクターなためアルフとリタ以外親しい人がほとんどいません。
そのためアルエちゃんなんて呼ばれたこともなかったわけで、すごく喜んでいます。
本来アルフとリタの二人をほぼ独占していたフェリとは、もっと喧嘩腰になると思っていたのですが……根がいい子なせいか高慢に陰湿にもなれませんでした。

ちなみにフェリはアルエに「アルフさんはどこ?」的なことを聞こうとしていたのですが、言い出せずに終わってしまいました。

トレはん!アフターストーリー第二回

「うん、もう身体に問題はないね」
 そう言って白衣の男はフェリの胸に当てていた聴診器を片付け始めた。
 彼の名前はライナス、フェリの叔父であり診療所を営む医者である。
「若干魔力が不安定だけど、身体は健康そのものだ。これなら自警団の手伝いに加わっても問題ないよ」
「そっか、ありがとうおじさん」
 フェリは自警団の手伝いを行うにあたり、最後の検査を受けに来ていた。
「それにしても古代文明ってのはデタラメだな。私たちが治療の糸口すら見つけられなかった病気をこうもあっさりと治してしまうんだからね。後遺症の魔力異常だって魔法が全く使えなくなるってわけでもないし」
「そうだね。身体もいままで動かしてこなかったのにびっくりするぐらい軽いし」
 それを聞いたライナスがため息を漏らした。
「ほんと私は不甲斐ないよ。本来君たちは保護者である私たちが守らなければいけなかったのに……何もしてやれなかった」
「そんなこと無いよ。おじさんの治療が無かったら僕はもう死んでいたかもしれないし、姉さんだってあれでもいつもおじさんやおばさんに感謝してたよ。あんなだったから分かりにくかったかもしれないけどね」
「ははは、そうだね。私としてはそんな気を使わずにもっとのびのびと生きてほしかったんだけどね」
 ライナスは呟きながら薄く笑った。
「ところでモニカさん、さっきから何をしてるの?」
 フェリは振り返り、先ほどからビーカーの中の怪しい液体をかき混ぜている白衣の女性に話を振った。
 彼女はフェリの叔母でありこの診療所で薬剤師として働いている。
「ん~、何って頼まれていた薬を調合してるだけよ。最近ドナさんの腰痛が酷いらしくてね、痛み止めの調合を頼まれてるの」
 ドナというのは近所に住む老婆の名前である。
「それって隣にある包みでしょ?その怪しげな蛍光色の液体は何かって聞いたんだけど」
「これ?これは『背筋が真っ直ぐになる薬』よ。一口飲んだだけであら不思議、猫背気味の丸い背中が一瞬で真っ直ぐに、苦しい腰痛ともオサラバよ」
 それだけ聞くと画期的な新薬に聞こえる。ただこの人がそれだけで終わるはずが無い。
「それで?」
「ただ背骨が真っ直ぐの状態で固定化されちゃうから二度と腰が曲がらなくなるのよね。一度寝たら一人で立つこともできなくなるんじゃないかしら?」
「悪化させてどうするの!患者を寝たきりにしたら意味ないでしょ!」
「大丈夫大丈夫、本人の了承を取らない限り飲ませないから」
「了承以前の問題だよ!いいからその薬は即刻処分して!」
「ちぇー、じゃあ猫にでもあげてくるわね」
「猫が可愛そうだからやめてあげて!」
 フェリが表に出ようとするモニカを必死で引き止める。
(この人は何があっても全然変わらないなー、マイペースというかなんというか)



第二回はここまで。
最初フェリと叔父さんの会話がすごく固かったので直しを入れたのですが、それでもこんな感じです。
そしてモニカさんは全然変わってないです。
ちなみに、なぜ三人での会話をせずに一対一に持っていっているかというと、三人同時に会話させる技量がないからです。
三人で会話させるとどれが誰の台詞かわからなくなってしまいます。
そのうち挑戦したいとは考えていますが、今回は書き上げることを目標にしていることもあり、各キャラクターと順番に会話していく形式になると思います。
次回は詰め所編、あの兄妹の出番の予定です。

拍手を下さりありがとうございました。

トレはん!アフターストーリー第一回

さんざん悩んだ挙句、小説をブログにあげることにしました。
文章力等不安要素は多くありますが、最後まで書けるように努力するつもりです。
全部書き終わったら推敲してホームページにあげると思います。
小説の内容は私の作品『トレジャーはんてぃんぐ!』のTRUE END後の、フェリ視点の後日談です。
そのため一部ネタばれを含みます。
面白さよりも、その後の日常風景を描くことを優先しているため『トレはん!』未プレイの人はあまり面白くないと思います。

『トレはん!』をプレイした方や、ネタばれしてもかまわないという人だけこの下へ





リディアで起こったリスタリアを中心とした騒動は、秘宝の力で弟のフェリックスを治療することで終わりを告げた。
しかし、古代文明保護条約違反を犯したリタは国際的な指名手配犯となった。
そのため彼女は街に迷惑をかけないためにも、ひっそりと姿を消したのだった。

それから一ヶ月の月日が流れた。

「994、995、996――」
 レイルード国リディア領、その一角にある公園で一人の少年が素振りをしていた。
「997、998、999、1000!」
 日課となっている素振りも目標数に達し、彼は静かに剣を下ろした。
「ふぅ、これで朝の鍛錬は終了っと」
 あらかじめ用意してあったタオルで汗を拭きつつ、彼は共同掲示板に張られた手配書を眺めていた。
 それは新しく張り替えられたばかりのもので、昨日見たときよりも賞金額が20万Gも上がっていた。
「相変わらず元気そうだね。おねえ――姉さんがいなくなってからもう一ヶ月か……」

「フェリお帰りなさい、ご飯の用意できてるよ」
 鍛錬を終えたフェリが自宅に帰ってくるとフリフリしたピンク色のウェイトレス服に身を包んだ少女が待ち構えていた。
「……アン、また来てたんだ」
 彼女の名前はアンナ、近所の酒場の看板娘である。年が近いこともあり昔からよく遊んでいた、所謂幼馴染である。彼女はリタが街を去って以降、よくフェリの家に来て家事を手伝っているのである。

 一月前。
「アン、気持ちはうれしいんだけど僕は平気だから」
「でも今一人暮らしなんでしょ?それじゃあやっぱ大変でしょ?」
「お姉ちゃんはあんま家に居なかったから変わらないよ。むしろ身体は軽いし、分量も減ってるから楽なくらいだよ」
「でも一人じゃ寂しいでしょ?」
「叔父さんと叔母さんがよく来てくれるし、たまにアルフお兄ちゃんも来てくれるから――」
「でも毎日じゃないんでしょ!一人の時もあるんでしょ!」
「それはまぁそうだけ――」
「ね、そうでしょ?だから私が来てあげる!だから安心して!」
「……うん」

(ああいう場合、理屈は通用しないからなぁ)
 それが長年、『あの姉』に育てられてきたフェリが身に着けた処世術の一つである。
「ん、何か言った?」
「なんでもないよ。それよりお店の手伝いはしなくていいの?」
「うん、今日は泊り客も少ないし、サツキさんだっているから」
 サツキ、それは一ヶ月ほど前から酒場で住み込みで働き始めた少女である。何のためにこんな田舎都市までやってきて、酒場で働くことになったのかフェリは知らないが――
(どうも姉さんが一枚噛んでいたらしいんだよね) 
「それに今日から自警団のお手伝いを始めるんでしょ?だから応援しようと思ってね」
「そうなんだ、ありが――って、ちょっと待って、何でアンがそのことを知ってるの?」
 アンナの言うとおり、フェリは今日から自警団の手伝いをする予定である。だがその日程までアンナに話したことはなかったはずである。
「昨晩自警団員の人が来てたから聞き出――教えてもらったの」
 一瞬不穏な気配を感じたが、フェリは気にしないことにした。
「そうなんだ。別に隠すことでもないからかまわないんだけどね」
 遅かれ早かれ『あのリスタリアの弟』が自警団に仮入隊するのだ。今日明日中には街全体にうわさが広がるだろう。
「ご馳走様、それじゃあ僕は行くね」
 そうこうしているうちに食事を終え、フェリは席を立った。
「はーい、片付けは任せておいてね」
 それに対してアンナが元気良く答える。フェリも初めのうちは自分の分ぐらい自分で片付けると主張していたが、今では完全に諦めきっている。
(でも――)
「それじゃあ戸締りもお願いするね。いってきます」
「いってらっしゃーい」
(誰かが送り出してくれるのってうれしいんだよね)
 フェリはアンナにゴリ押しされたから今の現状に甘えているわけだが、それに救われてもいた。どれだけ一人でいることに慣れていても、姉がいないという状態にはなかなか慣れることができない。姉という存在はそれだけフェリの中で大きなものだった。
「アンがそこまで考えてくれているかはわからないけどね」
 誰にも聞こえないぐらい小さな声でつぶやきつつ、家の隣にある診療所に向かって歩き出した。



第一回はここまで。
とりあえず書いていて一番驚いたことは、フェリとアンナちゃんがお互いを「アン」「フェリ」と呼んでいたことでした。
この二人ってこんな親しげだったんだとびっくりです。自分で作っておきながら設定を完全に忘れていました。
それにしてもフェリはアルフよりもずっと女慣れしている気がします。
二人とも長い間リタと付き合ってきたはずなんですが、きっと『弟』と『子分』の違いなんでしょうね。
アルフは今後も苦労するんだろうなぁ。
文章力の面では地の文が相変わらず苦手です。これを機に慣れられるようにがんばります。

拍手を下さりありがとうございました。
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